「やりがいのある仕事」という幻想 森博嗣著
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すべてがFになるやスカイ・クロラシリーズなどの著書がある、森博嗣さんが森博嗣さんの視点で「仕事について」を語ってくれているのが本書『「やりがいのある仕事」という幻想』です。
帯には「人生を抜群に楽しむための。“ちょっとした”アドバイス」とありますけど、この本を読んで「気がつくこと」はあっても決して的確なアドバイスが聞けることはありませんので誤解のないように。
だって、、、
タイトルの時点で「幻想」ってついてますから^^
まずは森さんの仕事に対するスタンスですが、まえがきにこんなことが書かれています。
僕の仕事に対する第一原理というのは、これまでに幾度も書いているが、つまり、「人は働くために生きているのではない」ということだ。
仕事についての著書なのに、働くために生きてはいないと言い切ってしまっています。
すなわち人は「仕事ありき」ではないことを最初から伝えてくれています。この時点で「え~~っ?」とと感じる方は本書を読む時間が勿体なくなるので手にする必要はないと思います。
しかし、働くために生きているのではなくても、働いて収入を得なければ生活できないのが今の世の中なので、働く必要はないと言わずにこんな表現をつかっています。
仕事は何だって良いと思う。それは前章に書いたことが前提にあるからだ。どんな仕事をしても金は稼げる。それが仕事の目的だ。あとは細かい条件が自分に適しているものを選ぶだけだ。
ちなみに、前章というのは「仕事への大きな勘違い」とタイトルのついた章で、森博嗣さんの仕事の考え方が語られているのですが、ここもまた森節といってはなんですけど、既存の常識をきっぱりと否定してくれています。というと言い過ぎなんですが、要はこれまでの常識を信じすぎるなということなんですよね。
その他も様々な角度(といっても、森さんの視点ですが)で語られていますが、仕事が大事なことは確かですが、仕事はあくまでも「収入を得るための手段」であって、人生の「目的」であってはいけないという点が本書でもっとも言いたいことだと感じました。
個人的に「うんうん」と思わず唸ってしまい、自分自身も反省しなきゃな、、と感じたのがここ(まえがき)
しかし、どうも大人は、「仕事は大変なんだ」と苦労を語りたがる。そうやって、大人という立場を守ろうとしているのだ。「お父さんは、こんなに大変なことをしているのだよ」と子供に言いたがる。実に情けないことだ、と僕は感じる。
頑張っているお父さんは大事ですけど、子供に「仕事が大変なこと」とインプットしてしまうと、大人になりたがらないだろうし、仕事なんてしたいとも思わなくなりますからね、、、そうなると必然的に勉強しても意味が無いとか思ったり思わなかったり、、
ということも本書の中では書かれています。
途中でも少し書きましたが、仕事に対して意欲満々で、新しい情報が欲しくてビジネス書を読んでいる人にとってはまったく必要のないものですけど、今の仕事や生活に「漠然とした閉塞感」を感じて悶々としている人は立ち読みでもいいのでさらっと読んでみるといいかもしれませんよ。
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