1/31の週の読了 3冊
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今週(1/31-2/6)の読了数は3冊。先週末からの持ち越しのページ数が少なかったこともあり、冊数が多くなっていますね。
その他に久しぶりの仕事術のカテゴリに入る、南和繁さんの「ミニマリスト仕事術」も読んだのですが、仕事術とか自己啓発本はレアケース(おいおい)なので、カウントには含めず。
動物たちのまーまー
1冊目は一條次郎さんの「動物たちのまーまー」
風変わり–という表現では物足りないか–な動物たちが登場する、不条理で混沌とした世界観が舞台の短編小説です。
なかでも良かったなと思ったのは「テノリネコ」と「ベイシー伯爵のキラー入れ歯」の2作品。
「テノリネコ」はその名の通り手に乗る大きさのネコが登場するのですが、こいつがなぜか「騒音にさらされると大きくなる(それも際限なく)」という性質をもっていて、それを社長から預かってた<わたし>だったが、普通の家で飼えば確実に大きくなって……
ととんでもない設定で進んでいくのですが、<わたし>と友人のユージーンはどんどん大きくなっていくテノリネコに手を焼き、社長のところを目指すのですが、道中も色々とおきますが、最後のオチもまたひねりが効いています。
「ベイシー伯爵のキラー入れ歯」は吸血鬼の本場トランシルバニアを追われ、吸血鬼にも関わらず工場の夜勤で細々と暮らしているタキシードが主人公の話。なぜに吸血鬼が工場勤務?という疑問から入り、虐げられている立場を切々と書きつつ、らしい逆転劇もありなにげにスッキリしてしまう話でした。
科警研のホームズ 絞殺のサイコロジー
2冊目は喜多喜久さんの「科警研のホームズ 絞殺のサイコロジー」
科警研のホームズシリーズの第3弾、前作までは本郷分室の三人の研修生が物語を綴っていましたが、今作では、研修生で残った北上氏と、それぞれ別の意思の元集まった2名の大学4年生の松山と藤生の3名が物語進めていきます。
舞台が科警研の本郷分室から寄附講座の「科学警察研究講座」に移っていて、登場人物も若返りをしていますが、未解決事件を科学の力で再捜査、最後に土屋准教授が閃きで解決、の流れは踏襲しています。
若手が入ったことで、少しは指導に積極性がでるかと思った、土屋准教授ですが、助手となった北上氏を指導者として前面にだして積極的には関わらず。
もっとも指導者(会社的には上司)が自分の意見をゴリ押しして、混乱を生むよりは各個人に考えさて解決策を探らせるやり方はいいと思います。ただ扱っているものが殺人事件とか内容が重ためなので、大学生にはハードルが高いようには感じます。この辺はフィクション感が強いですが、二人の成長物語として考えると悪くないですね。
マネートラップ
3冊目は木崎ちあきさんの「マネートラップ」
福岡でしがない詐欺師をしている大金満は、詐欺でヘマをして氷室准也と名乗る人物に脅され、仕事を手伝うハメに……。
というところからスタートする本作ですが、序盤で氷室准也は偽物で、実はお金持ちの御曹司キム・ムヨンだったとわかるところから本格的に物語が動き出します。
詐欺師と御曹司の凸凹コンビが、詐欺師たち(主人公以外ね)を追い込んで被害にあった金額を取り戻すのが骨格となっているのですが、キムは採算度外視で動いているため、騙すときのお金のかけ方が半端ないのが現実離れして逆に面白いんですよね(富豪刑事を思い出す)。
最後のところでは、ヒューマンドラマも入ってきて、厚みが感じられるところもよいです。
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