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特等添乗員αの難事件Ⅲ 松岡圭祐著

2013-03-18[読書ミステリ

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「特等添乗員αの難事件Ⅲ」はラテラルシンキング(水平思考)を活用して特等添乗員として活躍する浅倉絢奈が活躍する物語の第3弾となります(タイトル通りか)。
特等添乗員αの難事件Ⅲ

前2作でも様々なピンチを切り抜けてきた主人公ですが、今回はなんと恋人でもありラテラルシンキングを与えられるチャンスをくれた壱条那沖の大ピンチに立ち向かいます。


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今回の物語は、壱条那沖の母親の壱条真尋さんが以前タイのバンコクで夫以外(父親は凌真)と関係を持っていたらしく、那沖がその時にできた子で、実の父親と血が繋がっていないのではないか、、、という週刊誌の報道から始まります。
→その前のプロローグもしっかりと伏線になっているのはさすがです。

しかし唯一真相を知る真尋はなぜか黙秘を続け、那沖とそして凌真の立場がどんどんと悪くなっていく中な、解決策として取ったのがDNA検査、これで白黒がはっきりすると期待をしていたのですが、結果は「親子関係にない」というもの。

万策尽きたと思った壱条親子を救うために、浅倉絢奈が立ち上がります。一度は那沖との関係のせいで会社に迷惑をかけていて落ち込んでいたんのですが、能登先生(絢奈にラテラルシンキングを教えた張本人)がその背中を押してくれるのも「らしい」展開です。

これらの人のサポートがあって初めて浅倉絢奈が輝くんですよね。

一旦スイッチが入ってからは推理も冴え渡り、どんどんと真相に近づいていく流れは流石の一言ですが、今回は特にエリートとして教育を受けている(知識はあるが応用の利かない)那沖とラテラルシンキングの使い手である絢奈との思考の違いのコントラストが際立っていた感じがあります。

まあ、、、
母親の真尋さんが、早めに真相を告白していればここまで複雑にならずにすんでいたところは見受けられますが、そこに絡むのが壱条家が「政治家の一家である」という事実、それが物語のそして那沖と絢奈の恋愛でも重要な要素になっているため、避けては通れない部分ですね。

また、今までは一段引いた所で絢奈を見守っている立場だった那沖が同じ目線に降りてきて、しかも自分の「弱さ」を見せるとことは物語としての深みと、発展を思わせるものでしたが、その反面ゴールが近いのかも、、という予感めいたものもありちょっと複雑なところもありますね^^

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