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スリープ 乾くるみ著

2013-02-21[読書SF小説

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いつも予想外の結末を用意してくれる乾くるみさんですが、今作「スリープ」でもまさかそこに落とすか!という結末を用意してくれました。
スリープ 乾くるみ著

作品の中心というかキーになるのが「冷凍睡眠装置」と呼ばれるもので、簡単にいうと病気などでなくなった人を冷凍保存して医療の発達した未来で解凍&治療をしようというものです。


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まあ設定的には近未来SF系ではよくあるパターンではありますけど、そこに乾くるみワールドが追加されることで、倒錯的な物語に変わってしまうのは、作者のトラップ&トリックの巧さだと感じますね。

物語のスタートは、「科学のちから」というテレビ番組に出演している人気リポーターである羽鳥亜里沙が冷凍睡眠装置を研究している「未来科学研究所」に取材に行くところからスタートします(前段はありますけどね)。

そこで亜里沙が冷凍睡眠装置について取材をするのですが、ちょっとした悪戯心から本来入ってはいけないエリアに足を向けてしまいます、そしてそこで見たものは、、、

まず、ここで驚愕の装置(とはいっても読者なら薄々気がつくレベル)を目にするのですが、これはまだ序章に過ぎずないんですよね。

亜里沙はその場で未来科学研究所の山根所長と鉢合わせしてしまうのですが、その装置については触れずなぜか1回の撮影に28億円!もかかってしまうMTF高解像度スキャナーの撮影をお願いされます。そしてその撮影が終わった後に、、、、

ここからが本当の物語の始まりで、最初の目覚めは30年後、そして次に目覚るのが元の時代とある意味パラレルワールドともいえる2つのストーリーが流れていきます。この2つの物語のうち一つが夢でもう一つが現実、、、と思う展開ではあるのですが、実際に用意された結末は、これとは違う本当に意外なものになっています。

この先は完全にネタバレになるので書きませんけど、ほんと「まさか」という結末なので気になる方は是非本を手にとってもらえるといいかなと。

ただスリープの注意点としては、冷凍睡眠装置もそうですが全体として「未来科学」を持ち出している関係で、その辺の説明がかなりくどく、しかも専門的な用語が並んでいるため理系的な難しい用語が苦手な人は途中で眠くなる可能性があります^^

もっとも科学的な説明は物語の本筋とは別もの(理論の補強にはなっていますが、それが現実に可能なものなのか検証できないですし)なので、さらっと読み飛ばしても十分に楽しめると思いますよ。

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