東京湾岸奪還プロジェクト 伊園旬著
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今度の奪還物は「秘密の小箱」。しかも隠されている場所は明快!
それでも、門脇&丹羽のセキュリ突破のプロに依頼がきたのは意外な理由があった。
東京湾岸奪還プロジェクトは伊園旬さんの前作「ブレイクスルー・トライアル」の続編で、物語の構成上重要なファクターになっているのが、超がつくほどの高度なセキュリティシステムとそれを突破する様々な創意工夫になります。
同じ作家で続編ですから、その点は十分に生かされていて読み応えも十分あります。しかし、今作では最大の売りである「突破シーン」は一つのアクセントに過ぎず、門脇&丹羽(そして新キャラ瀬戸)のもつ人間味を最大限に引き出したヒューマンドラマになっています。
物語の骨格(作品の順序とはちょっと違います)は、丹羽の愛娘である茅乃とその友人の沙璃亜が誘拐され、誘拐犯から二人を助けたければ3つのミッション(3ヶ所への侵入および、秘密の小箱の差し替え)を要求してきます。
もちろん門脇&丹羽がその要求を飲まないわけはなく、沙璃亜の叔父である瀬戸を加えた3人で、誘拐犯が要求するミッションを次から次へとクリアしていきます。
先に書きましたが、セキュリティシステムの突破については前作同様で最新の知識とアイデアがふんだんに盛り込まれていていますが、ミッション自体は意外と早くにクリアしてしまい、その後の展開がどうなるか不安だったのですが、そこに追加であるのが茅乃と沙璃亜が捉えられているシーン。
誘拐された茅乃は父親の丹羽譲りの洞察力をみせて、親友の沙璃亜とともに誘拐されている中で様々な対応を行なっていきます。ネタバレになる危険があるので、詳しくは書きませんがこれもある意味セキュリティシステム突破ともいえます。
最後の「オチ」に関しては、賛否両論あるかもしれませんけど、振り返ってみるとルパン三世のようなちょっとユーモアのある終わり方なので、エンターテイメント作品として素直に楽しめると思います。
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