消えた少年 東直己著
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「消えた少年」は2011年に映画化された「探偵はBARにいる(原作はバーにかかってきた電話)」に続くススキノ探偵シリーズの第3作目になります。
2011年の映画化なので、最近の作品だと思っていましたが「消えた少年」は初版が1998年と予想外に古い(というと語弊がありますが)作品なんですよね(バーにかかってきた電話は1996年の作品)。
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主人公は札幌の繁華街ススキノを中心に活動している自由人の「俺」。
→探偵ものではありますが、作品の中で「俺」は探偵であるとは明言してません。逆に否定的な言い方をしているシーンも多々あります。
その「俺」が消えた少年では、とある中学校の女性教師から一人の生徒を救って欲しいという依頼から物語が始まり、少年の(第一次)救出劇、少年の友人の殺害、そして少年の失踪と一気に展開していきます。
犯罪の真相も意外なものではありますが、何よりもこの「俺」がスーパーヒーローでも、超硬派なハードボイルドでもなく、迂闊なミスはするは、殴られて入院はするは、常に飲んでいるは、すぐに弱気になるはと人情味が溢れるキャラであるところが、読んでいて感情移入しやすい作品になっています。
また「俺」の弱さを補強するように「優秀(だけどシニカルな)な仲間」が登場するのも物語の厚みを増してくれています。
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