海の底 有川浩著
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「海の底」は図書館戦争がノイタミナ枠のアニメになって気になり始めている有川浩さんの著書で、この他に「空の中」「塩の街」と合わせて自衛隊3部作と呼ばれている作品です。
物語は、横須賀港に謎の巨大生物-ザリガニのような甲殻類-が襲来し、逃げ遅れた自衛隊員と子供たちが潜水艦「きりしお」に閉じ込められるところから始まります・・・
謎の巨大生物-ザリガニのような甲殻類-が襲ってくるところからなので、完全にパニック小説かと思って読んでいくと、その先には「自衛隊と機動隊(警察)との軋轢」「自衛隊のありかた」「子供が抱える不満」「子供と大人の距離」・・・など数多くの要素が盛り込まれていきます。
自衛隊3部作なので、自衛隊に関する描写が丁寧な部分もあり、その分リアリティが増しているのは事実ですが、個人的には潜水艦に閉じ込められた「子供たち」が短時間で成長していく過程に引きこまれるところがありました。
<3部作のうち「空の中」は読んでいますが、これも同じように子供の成長が描かれています。>
まあ、この辺は自分の過去を振り返るというよりは、今自分の子供が小学校3年生と4年生なので、これから大きな変化を迎えることが予想されているのが見えるからより強く見えてしまう部分はありますね。
子供を中心に読んでいった場合、謎の巨大生物-ザリガニのような甲殻類-はパニックの象徴よりは、子供が成長する途中で見る「夢」のような存在になってきて、ある意味ではファンタジー小説になってくる気もします。
多くの要素を盛り込み、破たんのない展開をつくりつつ読み手によって見方が変わる奥のものすごく深い小説だといえます。
いや・・・有川浩さん凄いわ
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今月末には「塩の街」も文庫化されるようなので、出たらすぐに読みたいと思います。
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