沖縄にまつわる物語7作品
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昨日のシリーズ物の中で、作家六波羅一輝の推理に「ニライカナイの語り部」というものがあって、そういえば手元に沖縄を舞台にした作品が他にもあるかな、、、とチェックしてみました。
そうしたら、上記の作品を含めて7作品の小説が沖縄を舞台にしていたので、沖縄にまつわる物語として紹介したいと思います。しかし、7作品中3作品が原田マハさんの作品だったのは驚いた^^
◆ニライカナイの語り部(鯨統一郎著)
沖縄ピックアップのきっかけともなったのがこれ。
作家六波羅一輝が、ニライカナイの伝説に惹かれて(=小説を書くための取材)沖縄に向うものの、そこで待っていたのは、沖縄本島南部に建設予定の<ニライカナイランド>を巡る事件だった、、、、
で、それを得意の推理で解決してくと。
推理小説としての面白さもありますが、鯨統一郎さんらしい、伝説、伝奇の解釈も楽しめる1冊です。
◆記憶 ニライカナイより(永嶋恵美著)
もう一つタイトルに「ニライカナイ」が入っているのが、永嶋恵美さんの「記憶 ニライカナイより」。
主人公の水野晴菜は、同性愛者でありながらお見合いで結婚をしていたが、取材で知り合った女性 副島奈規と恋に堕ちてしまうが、その奈規が沖縄の離島で殺され事件が発生。夫からも見放され、世間からも相手にされず恋人を追って沖縄に向う晴菜。そこで驚愕の事実が明らかになる。
あらすじっぽく書いてみましたけど、どこか「生きづらさ」を感じている主人公の晴菜が(恋人の死に場所ではありますけど)沖縄に伝わる伝説「ニライカナイ」を求めて懸命に生きていくさまが心を打たれます。
<ニライカナイとは?>
なんとなく知っている方も多いかもしれませんが、2作品続いたので簡単に説明と。
ニライカナイは、沖縄県や鹿児島県奄美群島の各地に伝わる他界概念のひとつ。理想郷の伝承。
豊穣や生命の源であり、神界でもある。年初にはニライカナイから神がやってきて豊穣をもたらし、年末にまた帰るとされる。また、生者の魂もニライカナイより来て、死者の魂はニライカナイに去ると考えられている。琉球では死後7代して死者の魂は親族の守護神になるという考えが信仰されており、後生(ぐそー:あの世)であるニライカナイは、祖霊が守護神へと生まれ変わる場所、つまり祖霊神が生まれる場所でもあった。
◆サウスバウンド(上)(下)(奥田英朗著)
若干ダークな作品が続きましたけど、今作「サウスバウンド(上)(下)」は読んでいて楽しくなり、そして家族のあり方を考えさせられる奥田英朗さんの名作です。
主人公の上原二郎は元過激派で自由奔放な父に振り回される毎日を送っているが、ある日突然母から「我が家は、沖縄の西表島に引越すことになりました。」と告れる。独特な考え方ではあるものの、子供を1人の人間として見ているところや、自分の信じた道を不器用ながら真っ直ぐに貫くところは爽快感すらあります。
◆カフーを待ちわびて(原田マハ著)
映画化もされているので、知っている人も多いと思う作品ですね。
沖縄でのんびりと暮らしている明青のもとに突然現れた美しい女性「幸」。
お互いに不器用ながらもそれなりに距離を縮めていくなかで、幸が突然行方不明になる。自暴自棄になる明青だったが、幸は再び明青のもとに戻ってくる。。。。
沖縄を舞台にした「純愛物語」。
これを書くために軽く読み直しましたけど、心が温まりますね。
※カフーとは沖縄の言葉で「果報」「幸福」という意味があるそうです。
◆花々(原田マハ著)
カフーを待ちわびてのサイドストーリー的な物語で、主人公は「おんな一人旅の宿」というテーマで奄美大島を取材している成子と純子の二人。
二人のやりとりの中で、リゾート開発の裏側や明青と幸の暮らしぶりを知ることができます。もっとも先の作品を読んでいなくても二人とその周りの人々の温かさが伝わってくる物語でもあります。
◆風のマジム
原田マハさんの作品3発目
主人公の伊波まじむは、派遣社員として働いているがある時社内ベンチャー募集の告知を見て「沖縄のさとうきびを使ったラム酒製造」の事業提案をおこなう。
無謀といわれた企画をまじむは家族の支えもあり、一つ一つ問題をクリアして最後にはラム酒の製造に成功するサクセスストーリー。仕事に対して真摯に向うことと大切さを教えてくれます。
◆美ら海、血の海(馳星周著)
これまでの作品たちとは一線を画すのが馳星周さんの「美ら海、血の海」。
この作品は小説ではありますけど、その内容はノンフィクションに近いもので、終戦間際の沖縄で本島へ撤退をする日本軍の道案内を命じられた真栄原氏がみた惨状が綴られています。
同じ沖縄でもこんなことがあったのか、、、と戦争の悲惨さを痛感させられる作品です。
なんか「沖縄」でくくっても様々なタイプの物語がありますね。
ただ共通しているのは、沖縄の土地として、そしてそこに住む人達の「温かさ」が背景にあることで、物語全体にも「温かさ」を与えている点ですね(美ら海、血の海も程度は違っても含まれています。
これ以外にも沖縄にまつわる物語が沢山あるとおもうので、違った出会いができるのを楽しみにしながら読書生活を続けていきたいなと思っています。
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