6月はスタートからヘビーな作品が続いた…
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5月はゴールデンウィークから始まったためスタートダッシュが遅かったのですが、6月は月曜日スタートだったこともあり最初の1週間で3冊読了することができました。
しかもその3作品が恩田陸さんの「まひるの月を追いかけて」、道尾秀介さんの「カラスの親指」、石田衣良さんの「北斗 ある殺人者の回心」と読み応えもありテーマもヘビーな作品が続いたんですよね。
このところ割りとライトな作品が多くなっている中で(守備範囲を広げる意味もあり意図的なところではありますが)、このコンボは久しぶり重くて最後の「北斗」を読んでいる途中ですでに満腹感があって、読み終えた時点で結構ぐったりでした(笑
「まひるの月を追いかけて」は恩田陸さんの世界観がよく現れているロードミステリー。
失踪した(と言われている)異母兄弟を探してに奈良に向かう飯村静と藤島妙子がそれぞれの思惑を胸に秘めて同じ時間を過ごしながら家族について、生きることについて向かい合う作品です。
舞台が奈良ということもあり、宗教的な物歴史的なもの、そして観光的なものと盛り込み過ぎ感は多少あり、途中で「どこに向かうのか?」となりますけど、そこは恩田陸さんらしいまとめ方でラストに向かって一気に読ませてくれます。
「カラスの親指」は映画にもなった作品で、詐欺師たちが一世一代の大勝負をするサスペンス、、、と見せておいて最後の最後のどんでん返しで、一気に作品の雰囲気を変えてしまうところが道尾秀介さんらしい展開。
ネタバレになるので革新については書きませんが、脇役だと思っていた人物が実は物語のど真ん中にいたのは驚きました。そして(歪んではいますけど)親子の絆を考えさせられる作品でもあります。
「北斗 ある殺人者の回心」は殺人を犯した橋爪北斗が幼少期に虐待を受けていたこと、里親と出会い暖かい日々を送っていたにもかかわらず、理不尽な出来事から殺人に至るまでの経緯、そして殺人を犯したあとに裁判で判決を受けるまでの、痛く悲しい物語。
ひとつひとつの出来事が衝撃的な内容ではありますが、他人に心を開くことのなかった北斗が、裁判の過程で被害者家族と向き合い、自分を見つめ直しながら周囲でサポートしてくれる人たちがいることをしり、徐々ではあるが気持ちが変わっていく模様は緊張感があります。
この3冊を読み終えて振り返ると(形はそれぞれ大きく違いますが)すべて根底には「家族」というものが流れていて、自分も子供はもちろん、親のこととか色々と考えさせられました。
ヘビーな作品が続いたのでこの後はちょっとライトな作品を手にするようにしようかなと^^
期間 : 2015年06月
読了数 : 3 冊 |
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石田 衣良 / 集英社 (2015-04-17)
★★★★★ 読了日:2015年6月6日
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道尾 秀介 / 講談社 (2011-07-15)
★★★★☆ 読了日:2015年6月3日
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恩田 陸 / 文藝春秋 (2007-05)
★★★★☆ 読了日:2015年6月1日
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