ジャンクワードの森

ギフテッド 山田宗樹著

2014-08-18[読書サスペンス

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幻冬舎plus × ブクログが共同で行っていた「サイン入りバウンドプルーフ・プレゼントキャンペーン」で当選した山田宗樹さんの最新著の「ギフテッド」を一足早く読ませていただきました!!
ギフテッド
小説は結構読んでいますけど、バウンドプルーフ(発売前に一部の関係者に配られるもの)を読む機会はめったにないことですから、とても貴重な体験をさせていただきました。

ということはいいとして、山田宗樹さんの「ギフテッド」の感想を


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「ギフテッド」は特殊能力に翻弄される子供たちの物語

物語の始まりは主人公の達川颯斗に送られてきた「第一種特殊児童選別検査の結果(通知)」が送られてくることから始まります(達川颯斗はその後<奇跡のギフテッド>と呼ばれる存在になります)。

この検査は子供たちの中に未知の臓器「ギフテッド」を持って生まれてきているかの検査で、今後子供たちの一生を左右する大きな分岐点となると…

ギフテッドは当初どんな能力があるかわからないものの、認定された子供たちは当初「選ばれたもの」として扱われ、全寮制の学校に集められた将来を嘱望されながら楽しい学園生活を送るかに思われましたが、ギフテッドの持つ特殊な能力が彼らを、そして世界全体を恐怖の世界に突入させます。

構図としては「未知の能力を持った新しい人類(ギフテッド)」と「新しい存在に恐怖する既存の人類(非ギフテッド)」の戦いにはなりますが、ギフテッド側からみると「一度持ち上げられて梯子を外された」ことが混乱の元でもあり、掌を返された痛みがある分その溝が大きくなっています。

この辺の「持ち上げて」を入れてくる辺りは人生の「浮き沈み」をよく描く山田宗樹さんの作品らしい感じですね。それに加えてこの作品では争うべきギフテッドと非ギフテッドの間でも人間関係が入り乱れるなどヒーロー物のような勧善懲悪の体制になっていない点も人間味(=リアリティ)を感じさせる展開になっているんですよね。

ただ、非ギフテッド側にギフテッドを操って悪巧みをする政治家やマッド・サイエンティスト(治療で医療機関が登場します)が登場しないんですよ。ギフテッドに対して恐怖心はあると思うのですが、攻撃的になるのはギフテッド側だけというのがバランスが少し悪い気がしました。

対立構造の曖昧さがラストに向けて少しスピード感を鈍らせたような印象があり、山田宗樹さんにしては終わり方も少し勿体無いように感じますが、もっとも「ギフテッド」に関しての伏線はそれほど多く貼っていませんし、「ギフテッド=超能力」の中で何でもありにはしない難しさはあったと思います(生意気ですみません)。

だって、、、、
前半苦悩を露わにしていた、達川颯斗の後半での無双っぷりと、元光明学園の生徒たちの覚醒ぶりは歯止めが効かない感があったからな、、、

なんにしても山田宗樹の他の作品同様に、どストライクの提言ではなく少し斜めの方向から(≒逆説的な観点で)「人が生きていることとは」と問いただしている作品だと感じました。超能力を一つの「設定」として飛躍しないで読む分はお薦めだと思います(超能力の理屈を説いてはダメです^^)。

参考アドレス

幻冬舎plus
ブクログ

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