電子の標的 警視庁特別捜査官・藤江康央 濱嘉之著
当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。
警視庁情報官シリーズを手がけている筆者の新しいシリーズになりそうなのがこの「電子の標的 警視庁特別捜査官・藤江康央」です。
とはいっても一般の人には「情報官」と「特別捜査官」の違いがイマイチわからないため、警察小説のひとつとして捕らえていたほうがいいかな。
なお、筆者は元警察官だったので、警察内部の描写や人事関連の内容が想像ではなくリアルなところが特長となっています。裏工作の話とか読むとちょっとドキッとさせられます。
で、今回の電子の標的 警視庁特別捜査官・藤江康央ですが、物語の骨格部分と警察内部の話はかなり面白い設定でしたが、主人公の藤江康央が完全無敵のナイスガイとして描かれている点がちょっと気になったかな、、、
筆者の作品の年表を見ると、この作品は2009年9月に単行本で発表された3作目と割と早い段階の作品のため、押し出しの部分で的が絞りきれていない(=甘い)部分がまだあったのかもしれません(って何を上から目線で語っているんだ)。
ただ、その辺りの甘さを差し引いたとしても、ハイテク機器を駆使して犯人(誘拐を企てています)を追い込むさまは、さすが「経験者」という感じのリアル感を感じさせくれますし、スピード感も悪くないと思います。
でもな、、、、
主人公の藤江康央もそうですけど、犯人を追い込む方法もスマートで的確なのはいいんですけど、ミスがないというか全体がスムーズに行き過ぎていて、物語としての盛り上がりに欠けるあって、全体のスピード感があるだけに余計に勿体無く感じました。
犯人もあっさり捕まるし、、、
あと、主人公のラブシーンはそこに至る経緯も雑だし、その後の伏線にもなっていないので完全に蛇足かな。警察官といえども人という意味での描写かもしれませんが(他の作品でもあるし)、、、、
なんか微妙に厳しい内容になってしまいましたが、警察のハイテク捜査について興味のある人は読んでみてもいいかな。ただしラブシーンはななめ読みで^^
Sponsored Links