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コズミック・ゼロ 日本絶滅計画 清涼院流水著

2013-04-26[読書SF小説

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普通では想像もつかないような特殊能力を使って事件を解決する(しないことも多いか)JDCシリーズが有名な大説家の清涼院流水さんの作品がこの「コズミック・ゼロ 日本絶滅計画」です。
コズミック・ゼロ 日本絶滅計画 清涼院流水著

JDCシリーズやトップラン&ランドシリーズも一通り読んでいて、嫌いな作家ではないですがスケールが大きくなりすぎて「さすがにお腹いっぱい、、、」と思っていたのですが、森博嗣さんが解説を書いているということで手にとってしまいました^^


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小説は当然ながら「作品が中心」で、解説は二の次というか読まないことも多いほうなので、多分解説が気になって買った初めての小説だと思います・・・
ってそれじゃ著者に失礼な話ですが、清涼院流水さんは作風もわかっていて買うか本当に迷っていた時の最後のひと押しだったので「解説だけ」で買ったわけではないことを先に書いておきます。

で、物語なんですが、、、
タイトルにある通り、日本絶滅を計画するとある集団がでてくるんですが、それ以外にもこんな怪しい連中がでてきます(最終的な主体がイマイチわからないので重複しているところもありますが)。

・やたら権力を持っているご老公(よくあるパターン
・そのご老公が操る特殊能力を持ったセブンスという集団
 ↑この手のメンバーが出てくるのが清涼院流水さんらしい
・セブンスの大人版のLET
・CIA
・イギリス諜報機関
・偽名に「北」をつける傾向がある某国の工作員
・日本の総理大臣(前半は影が薄いけど)
・主人公(工藤大地、春野海)とその家族

う〜ん、主人公以外は魑魅魍魎の総決算ともいえるようなメンツが揃っていますね。これだけでもかなりのボリュームがありますが、これを501ページの文庫に押し込んでいるんですから、よく言うとスピード感のある展開で、悪く言うと伏線もなしに突っ走っているだけになっているのは確かです。

しかも、、、、
セブンスの中に某国の工作員がいたり、某国の工作員が主人公と仲良くなったり、ご老公とCIA、イギリス諜報機関が近しかったりと、それぞれの集団が予想しないぐらい入り組んできます。

そして、なんといってもガチンコで人が消えていきます。
というか、最終的には日本人が「0」になるところまで持っていきます。なにもそこまでしなくても、、、とは思いますが、そこがこだわりだと言えます(ネタバレ気味ですが、最終的には日本以上の規模になります)。

約1億3000万人がどんどん消えていくのですが、一体どこに消えたのか(殺されたという表現は使っていませんね)の謎は最後までわからずじまいで、その部分は消化不良気味だし、それ以外でも「???」なところは沢山ありますが、初詣から始まり、電車が消え、地下鉄が水没していくなどアウトラインはリアルです。

と一般的な作品と比較して「アラ」を探して読むのがこの小説の読み方ではなくて、とにかく荒唐無稽な設定やそこから始まる「ありえない世界(非現実の世界)」を理屈抜きで楽しむのが正しい読み方だと思います。

この非現実的な物語は、解説で森博嗣さんが書いている「緩衝的非現実」というのがそれですね。

好き嫌いのはっきりする作品なのは間違いないので、手に取るのであればある種の「覚悟」をもって読まないといけない作品ですよ(でも、森博嗣さんの作品が好きな人は割りと気に入るとは思います)。

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