明日の記憶 萩原浩著
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若年性アルツハイマーと診断された、広告代理店で営業部長をしている佐伯(50歳)が、発病後に迎える仕事のこと、家族のことを彼の目線で描いた作品です。
物語のテーマとしてはかなり重たいものなっていますが、萩原さんの柔らかい文章と自分の病気に抗いつつも荒れることなく淡々と対応している主人公の態度が重なりわりと気楽に読めました。
でもね、、、
気楽とは言ってもそれは物語の中の話であって、自分自身に置き換えるとほんと怖くなります。
自分も40歳を越えて(ってまだジャストですけど)、体力的なものの落ち込みとか健康診断の結果とか若い時とはやっぱり変わっていてるので、アルツハイマーに限らず他の病気のリスクも上がっていることは確かですから、対岸の火事とは思えないところがあります。
作品としては、結論というか主人公の行く末を明確に書かず、「読者に判断を委ねる」形で終わっているため、読了後よりいっそう色んなことを考えさせられるものになっています。
ただね、、、
不摂生をしないで健康に気を使って生活するとか、対策のようなことはあると思いますけど、どんな生活をしていても病気になる時にはなるのも事実ですから、病気にならないことを考えるよりも万が一の時にどうするかを考えておきたいと、この本を読んで感じました。
作者で選んだ本ですが、映画にもなっていたんですね。
こちらも近いうちに観てみようと思います。
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