2014年7月の読了数は13冊、少しディープな作品が多かったかな
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7月の前半が「雨」と「暑さ」にやられて電車に乗ってから本を広げるまで時間がかかることが多く(汗かきなので)、全体的に読書時間が少なくなっていたため、思った以上に読了数は伸びず13冊止まりとなりました。
そしていつも評価の甘い自分にも関わらず今月に関しては5段階評価で「5」を付けたのが1作品(垣根涼介さんの「月は怒らない」)だけと非常に珍しいことになっています。特段冒険をしたラインナップではないですがこんな時もあると。
唯一高評価だった垣根涼介さんの「月は怒らない」ですが、物語は市役所の戸籍係で働く恭子を中心に3人の男性が織りなす「恋愛話」がベースになるのですが、恭子の何者にも動じない達観したキャラクターと些細なことで動揺する男たちのコントラストが非常に愉快であり、妙に感心させられるものでした。
男に靡かず「唯我独尊」を貫く恭子の強さは、垣根涼介さんがこれまで描いてきた男性キャラクターに通じるものがあって、男の中の男を書いていた垣根涼介さんがなぜ女性を主人公にしたかを考えるのも面白い読み方かなと。
惜しむらくは、恭子があまりにも無機質に描かれ過ぎていてリアリティに欠けるような印象を受けてしまうことかな(上の読み方ができれば気にならないと思うけど)。
その他だと天野節子さんの「烙印」、坂東眞砂子さんの「くちぬい」、原田マハさんの「楽園のカンヴァス」の3作品は文章の展開も良くミステリー仕立ての内容なので読み応えはありましたが、題材が少しディープなため苦手な人は苦手な作品だと思います(それぞれ作者の個性が出ているからね)。
今月は「爽やか系」がほとんど無かったですが、奥田英朗さんの「我が家の問題」、碧野圭さんの「半熟AD」、五十嵐貴久さんの「ウエディング・ベル」はちょっと背中を押される感はありましたね。
※「ウエディング・ベル」は前作「年下の男の子」の続編のため、より楽しむためには前作を読むことをお勧めします。
最後に、問題作といっていいのが西澤保彦さんの「黄金色の祈り」と本谷有希子さんの「乱暴と待機」の2作。もっともお二方とも斜め上を行く作品を書くことが多いためその点の「驚き」はありませんが、相変わらず難解な作品を生み出すなという印象です。
ページを何度も行ったり来たりしながら読むのが好きな人(or気にならない人)は一度手にとって見るのもいいかもしれません。特に「乱暴と待機」は224ページと短い作品ですから、読むのに時間はかからないと思います。
そんなこんなで、2014年の読了数は97冊を突破!!
順調に読了数を伸ばしているので、このペースのまま進んでいきたいと思います。
期間 : 2014年07月
読了数 : 13 冊 |
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五十嵐 貴久 / 実業之日本社 (2014-04-04)
★★★★☆ 読了日:2014年7月31日
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本谷有希子 / メディアファクトリー (2010-08-25)
★★★★☆ 読了日:2014年7月30日
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原田 マハ / 新潮社 (2014-06-27)
★★★★☆ 読了日:2014年7月29日
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碧野 圭 / 光文社 (2013-06-12)
★★★★☆ 読了日:2014年7月27日
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海堂 尊 / 新潮社 (2014-03-28)
★★★★☆ 読了日:2014年7月24日
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奥田 英朗 / 集英社 (2014-06-25)
★★★★☆ 読了日:2014年7月19日
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真梨 幸子 / 講談社 (2011-08-12)
★★★☆☆ 読了日:2014年7月17日
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西澤 保彦 / 中央公論新社 (2014-05-23)
★★★★☆ 読了日:2014年7月15日
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桜庭 一樹 / 集英社 (2014-03-20)
★★★☆☆ 読了日:2014年7月14日
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垣根 涼介 / 集英社 (2014-05-20)
★★★★★ 読了日:2014年7月10日
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藤木 稟 / 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012-11-22)
★★★★☆ 読了日:2014年7月8日
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坂東 眞砂子 / 集英社 (2014-05-20)
★★★★☆ 読了日:2014年7月3日
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天野 節子 / 幻冬舎 (2012-10-10)
★★★★☆ 読了日:2014年7月2日
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