ブラックペアン1988 海棠尊著
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ブラックペアン1988は、チーム・バチスタの栄光やナイチンゲールの沈黙といったいわゆる「田口・白鳥シリーズ」の少し前の世界─田口医師が研修生で登場します─を展開している作品です。
「田口・白鳥シリーズ」は謎解きがメインになることが多いですが、ブラックペアン1988では新人研修医（世良）の成長物語の様相になっているので、読了感が幾分爽やかです。
時代設定は昭和63年（1988年）、舞台は「田口・白鳥シリーズ」でのメインステージとなる城大学医学部付属病院で主人公になるのは研修医となった世良雅志。
研修医として順調にキャリアを積むことになると思ったら、帝華大学から異動(左遷に近いともいえるが）してきた高階権太医師に振り回されることに・・・・
ちなみに、この高階医師は「田口・白鳥シリーズ」で病院長として登場する高階病院長です。チーム・バチスタの栄光等では穏やかながら芯の強さを感じる高階病院長ですが、ブラックペアン1988ではやたらと尖った印象があるのが面白いところです。そうはいっても、ある種の「狸っぷり」は健在なんですけどね（笑
ブラックペアン1988自体は、城大学医学部付属病院に君臨している佐伯教授率いる総合外科教室「佐伯外科」と、高階講師（肩書きがイマイチわからないです）が手術方法をめぐり対立しながら進んでいきます。
そこに、天才的なセンスがありながら、素行不良の渡海医師が絡んでバタバタと展開していきます。。。渡海医師と佐伯教授の関係性＆ある患者の病状が後半ではポイントになってきます。
医師同士の思惑、そして表には出さない信念等が絡み合いながらの展開はさすがの一言です。そして医師としての経験からくる現場の詳細な描写が重みを追加しています。
スピンアウトと言えば、スピンアウトですが、「田口・白鳥シリーズ」を一切読んでいなくても十分に楽しめる作品です（もちろん読んでいるとより楽しめます）。
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面白かったです
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海堂尊氏の小説は読み納め
この作者になぜ直木賞がいかないのかホントに不思議だSponsored Links
