世界最速のインクジェットプリンター「HP Officejet Pro Xシリーズ」レポート(後編)
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HP Officejet Pro Xシリーズレポートの後編、前編では基本的な性能などを見てきましたが、後編では少しマニアックな部分と価格、最終的なまとめをレポートしていきたいと思います。
特に分解モデルは、今回の説明会以外では見ることはできないと思いますので、分解モデルマニアにとっては(まあ自分ですけどね^^)写真だけでも見る価値はあると思いすよ。分解モデルはイマイチ、、というひとは価格面をしっかりとチェックしてください。
前編と同様ですが全体のメニューがこちら
お得な定額パック
HP Officejet Pro Xシリーズはオフィスプリンティング(企業向けってこと)をターゲットにした製品なので、サポート体制に関しても通常のインクジェットプリンタたちとは一味違ったプランを用意してくれていて、それがこのインク定額パックになります。
公式サイトにはこんな文言があります。
「インク定額パック」サービスは、15名前後のワークグループが印刷する枚数と上回る約5万枚を想定年間印刷枚数の上限として、インクカートリッジを使い放題で提供する年間契約サービスです。
1年、2年、3年の契約期間内に、インクカートリッジを送料無料で提供します。さらに、印刷ボリュームの少ないお客様向けには、「1年ライトパック」もご用意しています。また、本サービスには契約期間内、無償で本体保証が付帯されているのに加え、故障時にも無償でオンサイトサポートを利用できるなど、安心してご利用いただける環境を提供します。
上限があるにはありますが、簡単にいってしまうと
インクカートリッジ使いたい放題プラン
になりますね。
インクカートリッジが使いたい放題なだけではなく「本体保証」もセットになっているのもポイントで、インクだけではなくメンテナンスもセットで定額で保証されるため、予想外の支出がなくプリンターが使用できます。プリンターのコストが変動費ではなくて固定費になるのは経理(もしくは経営)的にみて有難いことなんですよね。
実はHPは世界最大のプリンティングカンパニー
日本でHP(ヒューレットパッカード)のイメージは「個人向けパソコン」がメインで、一部の人なら企業向け&サーバ製品があることを知っている程度で、プリンターとなると「あったっけ?」と思う人も多いかもしれません(HPさんすみません)。
しかし、世界的にみる実はHPのプリンタが使われていることは非常に多くて、それだけにHPのWebサイトにも「グラフィックアーツ」という専用のページがあり、大判プリンター、商用印刷、産業用印刷ソリューションについての情報を公開しています。
日本でも大型の印刷物(屋外広告など)を印刷するような印刷機ではHP製品が多く使われています(逆にHP以外の選択肢はないといてもいいくらい寡占状態だったりします)。
コンプライアンスの問題で写真は提供できませんが、HPの大型のプリンターが大量にある印刷工場を見学させてもらった経験が何度かあります。
で、そういった大型の印刷機はインクジェット(機構的には特殊なものも多く並列では語れない部分はありますが)で印刷されているものが多く、大判ではインクジェットの印刷は一般的なんですよね。
こういった大型の印刷機で培った技術をHP Officejet Pro Xシリーズに
ダウンサイジングして搭載することで、クオリティの高い印刷物が提供できるようになっていると。
分解モデル(プリントヘッド)
会場に滅多に見ることができない(というか普通なら絶対に見られない)HP Officejet Pro X551dwの分解モデルとプリントヘッドがあったのでワクワクしながら撮影してみました。
メカニカルな部分で言うと、タッチスクリーンの下の部分(要は本体の半分)で印刷が完了する仕組みになっていて、それだけにここに必要な機能がギュッと詰まっています。
ここで面白いのは、インクが出てくるプリントヘッドの部分から実際に紙が排出されるまでに意外と距離がある点。ここに一定の距離(時間)を取っているのは紙に乗せたインクが乾くまでの時間を稼ぐためで、ここが短いとインクが定着せずに排出してすぐに触るとインクが剥がれてしまう可能性があるそうです。
印刷物の精度を上げるためには必要なところではありますが、その分筐体が大きくなってしまう点は今後の課題だそうです。
<プリントヘッド>
こっちはHP Officejet Pro X551dwのプリントヘッド(シリーズ共通)
HP Officejet Pro Xシリーズは諸般の事情のため(構造上難しいのが一番かな)プリントヘッドの交換はできない仕様になっているので、この写真はかなりのレア物になります^^
インクジェットのプリントヘッドを見ても何が何だか、って感じですけど、実はこの中にノズルが42,240個(1色あたり10,560個)も配置されているので細かい印刷にも対応できるようになっています(いわば超精密機械なんですよ)。
この部分でCMYKすべて一気に印刷できるようになっています。
これが10個あるので、印刷速度が早いんですよね。
本体価格&ランニングコスト
ここまでコスト面を見ていなかったので本体価格とランニングコストについて確認しておきます。
まず、本体価格はこんな感じ(価格はすべてHP Directplus価格)
製品名 | 本体価格 |
---|---|
HP Officejet Pro X576dw | 97,125円 |
HP Offi cejet Pro X476dw | 86,625円 |
HP Officejet Pro X551dw | 73,500円 |
HP Officejet Pro X451dw | 61,950円 |
一番高い製品でも10万円以下なのは導入コストが低くていいかもしれないですね。
サプライ(インク)の価格
製品名 | HP Directplus価格 | 印刷可能枚数 | 印刷コスト |
---|---|---|---|
HP 970XL インクカートリッジ黒 | 14,070円 | 9,200枚 | モノクロ 1.5円/枚 カラー 7.5円/枚 |
HP 971XL インクカートリッジシアン | 13,965円 | 6,600枚 | |
HP 971XL インクカートリッジマゼンダ | 13,965円 | 6,600枚 | |
HP 971XL インクカートリッジイエロー | 13,965円 | 6,600枚 |
※印刷可能枚数、印刷コストはISO(国際標準化機構)の基準に準拠したもので算出
ランニングコストに関しては、印刷するデータによって大きく変わってしまうので、あくまでも参考として捉えておいたほうがいいですけど、印刷枚数がそれなりに多いのは安心感はあるかな。
インク定額パック
ご契約プラン | 希望小売価格 | HW保障 | インク本数 | 対象製品 | 推奨月間印刷枚数 | ランニングコスト |
---|---|---|---|---|---|---|
1年ライトパック | 120,000円 | 1年標準 | 10本 | OJProX全機種 | 2,000枚 | 5.0円 |
1年定額パック | 210,000円 | 1年標準 | 18本 | X576dw/X551dw | 4,200枚 | 4.2円 |
2年定額パック | 392,000円 | 1年標準+1年延長 | 36本 | X576dw/X551dw | 4,200枚 | 3.9円 |
3年定額パック | 558,000円 | 1年標準+2年延長 | 54本 | X576dw/X551dw | 4,200枚 | 3.7円 |
1年ライト延長パック | 134,000円 | 1年標準 | 10本 | OJProX全機種 | 2,000枚 | 5.6円 |
1年定額延長パック | 220,000円 | 1年標準 | 18本 | X576dw/X551dw | 4,200枚 | 4.4円 |
あっ、インク定額パックはハイスペックモデルがメインになるのか。まあ、使い方としてはそうなるから納得ですね。
まとめ
長々書いてきたHP Officejet Pro Xシリーズのレポートですけど、このまとめで最後。
HP Officejet Pro Xシリーズは印刷スピードが早い、コストも安い、耐久性もあるとビジネスプリンタとして欲しいところはしっかりと抑えているできのいい製品なのは間違いありませんが、気になる部分もあります。
それが…
・A3プリントができない(A4機です)
・A4プリンタとしてはちょっと大きい
・印刷のクオリティはそれほど高くない
A3(エイさん)はHPの人も言っていましたが、日本の会社では結構使われるので(エクセルの細かい資料などはA3が多い)対応機種が望まれていることは確かのようです。ただA3にしたら今の印刷速度は維持できなくなるのは間違いありませんね。
印刷のクオリティは完全にスピードとのトレードオフになるため、今の印刷速度で期待するのは難しいところではあります。もっともビジネス文書で求めるレベルはクリアしているので、ハイクオリティな印刷が必要であれば別のプリンタを使うのが一番になると思います。
一通り気になる点を上げましたが、まあそんなにクリティカルな部分ではないと。
説明会でも話がでていましたが、HP Officejet Pro Xシリーズのメインターゲットは3~15人程度の小規模な企業もしくはチームで、印刷物にスピードを求めるような職業(医療系、不動産、学校)になるのかな。この場合1枚が早いというよりは大量に印刷をしても早く終わることが最大のポイントになります。
あとは大きな会社でも会計とか人事のように機密性の高い印刷物を出力する場合に他部署と共有ではなくて「専用プリンタ」として1台持っていると便利に感じるとは思います(この場合はコスト面での価値を生かす感じ)。
インクジェットの良さ(=顔料インク)をもっと前面に出せると色んな可能性が出てくるとは思いますけど、HP Officejet Pro Xシリーズの特徴が少しニッチすぎる感もあってボリュームゾーンとして考えられるところはちょっと少ない印象になりますね、、、
HP Officejet Pro Xシリーズの購入は、HP DirectPlusから
HP Officejet Pro Xシリーズ
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