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透白の殺意 霧村悠康著

2010-01-22[読書ミステリ

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現役医師である著者が送り出す「副作用解析医・古閑志保梨」シリーズ第一弾の作品で、副作用が疑われる死亡患者の調査に主人公が乗り出すところから始まります。
透白の殺意

しかし、その患者と周辺には薬の副作用とはまったく違った問題が起こっていて、目まぐるしく展開していきます。


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文章もシャープだし、現役医師らしく医療現場の描写もリアルでいいですが、登場人物は少ないせいか、伏線の張り方がちょっと雑というかわかりやすいのが気にはなりましたね。。。でも、伏線はどこかでわかるものなので、そのあとの人間の「業」だったり、「影」の部分を浮き彫りにしていく展開は読んでいて引き込まれるものがあります。

わかりやすい分先に進みやすいという利点もあった気がします。

ただ、本格医療サスペンス小説で、主人公が副作用解析医なので副作用のことをどんどん進めていくかと思ったら、副作用とはまったく関係ないところにどんどんと展開していくので、途中「副作用の話はどこに?」と疑問を感じたのは確かですね・・・

まだ第一弾しか読んでいないので、今後の展開はわかりませんが「副作用を言及する物語」というよりは、「副作用を疑うことから新たな問題点を見つける物語」となっていきそうな感じです。

副作用の件は早々に切られていますが、途中の展開では人工呼吸器の扱い方、カルテについての情報など現役医師らしく医療現場の情報が盛り込まれているので、医療(系)サスペンスとしては読みごたえのある作品でした。

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余談ですが、この古閑医師は、同じように現役医師の海堂尊氏が描く、チーム・バチスタの栄光、ナイチンゲールの沈黙などに登場する田口医師と同じようなポジショニングになるんでしょうね。

霧村悠康氏の作品だと、脳内出血も読みごたえがありました。

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